風疹のこと

第5期定期接種が本格スタート。「攻め」の風疹対策へ転換を!

第5期MR定期接種が本格始動。「攻め」の風疹対策へ転換を!
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令和時代になっても続く風疹流行、一体いつまで?

5月1日に徳仁さまが即位され、新たな時代が幕を開けました。昭和から平成へのお代替わりとは異なり、もう一度お正月がきたかのような、明るいムードでしたね。

令和時代に入っても風疹の流行はずるずると続いており、一体いつになったら終わるのか?という状況です。2013年ほどの流行ではありませんが、東京や神奈川を中心にまだ流行が残っているようです。

第24週(6月10日~6月16日)に59名が風疹と診断され、遅れ報告を含めると累計1,793人、第23週から75人増加しています。

2018~2019年の流行で、先天性風疹症候群は3例に。

第24週では、大阪府で先天性風疹症候群も報告されています。平成の最後の週にも東京都から1例報告されており、今回の流行で3例目となります。

  • 第4週(1月21日~27日)、埼玉県
  • 第17週(4月22日~28日)、東京都
  • 第24週(6月10~16日)、大阪府

赤ちゃんが風疹の影響を受けるのは、妊娠20週以前といわれているため、感染した時期と赤ちゃんが生まれる時期には約半年間のずれがあります。昨年の秋から冬にかけて感染したと思われます。

昨年は、20~40歳の女性の感染報告が約60人あり、そのうちの3人です。今年はもう60人報告が出ていることを踏まえると、あと1~3例くらいはCRSの報告があるかもしれません。流行がこのまま収束しなければ、さらに増える可能性もあります。「早期に先天性風疹症候群の発生をなくす」はずだったのに、一体どういうことなんでしょうか

5期定期接種のクーポン券送付、はじまる。

4月からスタートした第5期の定期接種は、6月ごろからクーポン券が発送され、今後実際に使用する人が増えていくと予想されます。横浜市でも6月21日からクーポン券の送付が始まりました。神奈川県の場合だと、5月から7月の間というところがほとんどです。

横浜市民の方で、早速、クーポン券を使いましたという方がいらっしゃいました。先週末届いたから早速使ってみたとのことで、この行動力は風見も見習わなければなりませんね。

今までは自費であっても予防しなければと考える方々が中心でしたが、今後は「病院に行かなきゃいけないの?面倒くさいなあ」という層にもクーポン券が届くことになります。

働き盛り世代にとって仕事は最優先のタスクです。「仕事で忙しいのにそんな時間は取れないよ」と考える人たちには、こちらからアプローチしなければ、来てもらえません。どんなに怖い病気なんですと訴えても、いま自分が病気でなければ、病院に行く必要はない、というか行けないのです。

健康診断とセットで抗体検査を受けられる、会社の会議室で予防接種を受けられる。そこまでやってもなお「急ぎの仕事が入ったらキャンセルします」となるのが、今回のターゲットとなる方々です。

厚生労働省も、抗体検査を健康診断とセットにすることを推奨しています。ただし、健康診断にクーポン券を持参する必要がありますから、やはり、クーポン券がきちんと届くことが大前提。そして「届けました」で終わりではなく、その先のアクションを個人個人にあててリマインドする。そのためには、行政だけでなく職場の理解や協力が不可欠です。

今までのように受け身でいては働き盛り世代へワクチンは届かないのです。「攻め」の風疹対策へ転換しなければ、いつまでたってもCRSをなくすことはできません

「ストップ風疹ワゴン」プロジェクトを応援しよう。

そんな現状を少しでも何とかしたいと、聖路加国際病院の西澤俊紀先生を中心に「ストップ風疹ワゴン」というクラウドファンディングプロジェクトが立ち上がりました。

ワゴンでコーヒーなどを配りながら風疹の啓発をする、企業向けにワクチン費用を助成する。グッズもプロの方がデザインしたのでしょうか、とても素敵です。

クラウドファンディングのページは、こちら。

記事を書いていて気づいたのですが、クラウドファンディングの期限が明日(7月1日まで)です(汗)。もしご支援いただける方がいらっしゃいましたらぜひお願いいたします!