感染研からの第37週週報では、全国で127人、東京39人、千葉38人、神奈川14人。愛知など首都圏以外の地域からも報告が上がっています。
長期的に見ると、過去に比べると激減しており、あともう少しで風疹の流行をなくすことができそうです。東京都より公開されている年報より風疹流行の歴史を辿ってみました。2004年は全国で数万人規模、10人のCRS児誕生の流行が発生しています。逆算して考えると、過去の風疹大流行の規模は今よりもはるかに大きかったことが分かります。
風疹への免疫をもたない世代への対策をすすめワクチンギャップをなくせば、目標を達成できます。厚生労働省での「第26回厚生科学審議会感染症部会」で風疹流行について取り上げられ(議事録はまだ未公開)。30代から50代の男性向けに来年度から国が抗体検査の費用を全額補助する方針を打ち出しました。一歩前進したことは評価したいと思いますが、今やるべきことはワクチン接種の補助ではないでしょうか。
抗体検査を受けてから、あらためて予防接種を受けに病院に出向くのは負担です。すでに麻疹や風疹への免疫を持っている人がワクチンを打っても特別な副反応はなく、ブースト効果により抗体を増やすことができるとされています。定期接種への影響を懸念してのこととはいえ、抗体検査ではなくワクチン接種の費用を助成したほうが効果は大きいと思われます。(HAL先生の記事『大人のMRワクチン(麻疹風疹混合ワクチン)接種前に抗体検査は必須か?』が分かりやすいので参考になさってください。)
そもそも、こんなことは今回流行る前にやるべきことのはず。先週掲載された感染研の風しん緊急情報では、今までタイトルについていた「首都圏における」が取れました。愛知県など首都圏以外でも感染が広がっているためです。国や行政はこの5年間何をしていたのか。5年あれば流行を無くせるという話で排除目標を2020年にしたのではなかったのでしょうか。本気で対策を進めてもらいたいところです。いつやるか?今でしょ!