もっと軽くライトに更新できればなあと思うのですが、遅筆でなかなか更新できていません。今日は、くらげさんの『聴覚障害者の自信の無さは自分の立ち位置や能力がわからないから!?ってお話』という記事を読んで「ほんまそれ!」って思ったので、その話をしようと思います。
聞こえないために、自然に情報が入らないということは、非常に深刻な問題です。聞こえる人は特に心の準備をしなくても自然に情報が入ってくるのですが、聞こえない人は「よーし、聞くぞ!」といちいち戦闘態勢に入らないと「聞く」という動作ができません。世の中には私たちが知らない音や言葉があふれているのでしょう。
「聞く」という動作そのものも大変です。日本語を聞き取るときの負荷は、瞬間英作文を日本語でやるのと似た感じです。中学レベルの簡単な英文でもすらすらと言えずに意外と頭を使いますよね。その状態が補聴器をつけている間、要は、会社で仕事をしている間ずっと続くのです。
仕事上でのコミュニケーションは、文脈があるので、事前に辞書をセットすることで正解率が上がります。問題は何気ないちょっとした会話の理解です。文脈がないので自然に聞いて理解するということはとても難しいです。たとえば、仕事をしていて誰かが注意されていたとして、その内容を知ることはできません。なので周りの状況を把握しづらいです。今の職場に入って最初の頃は周りの様子がわからなくて、しんどさを感じました。
しかし、周りの人と仕事をスムーズに進める上では、文脈のない会話を避けて通ることはできません。仕事をしている最中に聞こえないとなると、情報収集をするチャンスはランチタイムとかでの雑談です。
私の職場の場合、基本的に部署みんなでランチを食べに行くことになっていて、任意参加なので毎回参加しないという人もいますから、行かないという選択肢も許容されています。どうせよく分からないのだから行かなくてもいいのですが、少しでも情報をキャッチするために頑張って一緒に食事をとるようにしてます。
ランチタイムで情報収集をしていると昼休みなのにろくに休めずむしろ疲れるのですが、仕事以外の場で話す機会を持っておくと、普段一緒に仕事をしない人に何かお願いするときも、互いに心理的なハードルが下がるので仕事が進めやすくなる気がします。
あとは、見えづらいために、向こうから来る人が誰だか分からず、時には上司をスルーしてしまうことすらあって、ひょっとしたら相手は自分が無視されたと思うこともあるかもしれないということが気になっていました。その対策は実はシンプルで、朝会社についたとき、帰るときに、きちんとあいさつするということでした。
今の職場は、黙っていれば仕事が来るというようなことはあまりなくて(黙ってるとどうしても人が必要な仕事しか来ない)、自分で仕事を作って「これやりたいんですけど」とアピールしないといけないのですが、少し声の音量を上げたら、仕事やそれ以外の場で周りの方から声を掛けられる機会が増えましたし、いろんな仕事が回ってくるようになりました。自分の存在を周りにきちんと知らせる、ということもわりと大事なのかもしれません。
以上の二つをまとめれば、目や耳に障害を持っている人が職場で快適に過ごすためには、自分から情報をキャッチしに行くということと、取りに行くだけじゃなくて自分から相手に情報を提供する、という二つのアプローチが必要なんじゃないかということに最近気づきました。特にオチはありませんが、以上です。