風疹のこと

横浜で風疹撲滅フォーラム開催&特報首都圏にて風疹特集

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風疹やCRSのことを知ってもらうための取り組みが多くの方々の支援によって続けられています。11月8日にはみなとみらいのクイーンズスクエアで神奈川県が主催する「風疹撲滅フォーラム」が開催されました(『予防接種の大切さ訴え 横浜で風疹撲滅フォーラム』神奈川新聞)。こういった機会を通して風疹ワクチン接種を考えてくださる方々がいるというのは嬉しいことです。漫画「コウノドリ」を読んでワクチンを打たねばと思った方もいますし、最近は「聲の形」で風疹のことを知ったという方も何人かいるようです。

また昨日12月5日にNHKの特報首都圏にて風疹特集が組まれました(『産むという決断 そして ~風疹流行に揺れた“命”~』NHK)。今のお母さんたちは私の親世代とは異なりインターネットがあります。当事者であるお母さんをはじめ誰でも風疹の妊娠への影響について簡単に知ることができるし、障害をもった子を産むか産まないかということを巡るさまざまな意見や体験談、病気や障害のある人が直面する現実についても知ることができます。便利さの反面、知りすぎてしまうことで不安感が強くなったり、また、知らなかったことに対する後悔の念も大きくなりがちです。かつて助からなかったであろう命が助かり、障害者への理解が進み活躍の場が拡がるなど良い時代になったことは確かなのですが、あらゆる情報がネット上に溢れている時代でもあるがゆえに産むという決断は非常に困難なものだったのではないかと思います。家族や周囲の人のさまざまな意見に揺れ動かされながらも一人の命を守ろうと決意した女性たちの想いを多くの方に知っていただきたいです。もちろん産みたくても産めなかった方もおられるので、そのような方も含めて、つらい選択を迫られる女性が一人でも減ってほしいと思います。

実は、この番組が放送される10日ほど前に突然の訃報がありました。2012年以降に生まれた45人のCRSの子たちの中からまた一人、空へと旅立っていきました。死因はRSウイルス感染症による呼吸不全です。CRSがワクチンのない感染症への罹患リスクを高め死亡につながったのかもしれません(ここは医師でないのでよく分かりません)。私は生後7ヶ月に麻疹で入院しました。幸いにも心疾患が軽度であったために今ここにいることができています。そうでなかったら、いまこの世にいなかったかもしれなせん。どこで運命って分かれるんだろうか。考えても考えても分からない。彼女がCRSでなかったなら……、せめて難聴だけだったら……、お姉さんになった彼女と将来どこかで出会えたかもしれないのに。先ほどのテレビ番組とあわせて、お母さんのブログ(『先天性風疹症候群①』萌えにゃんのブログ)、ご家族のブログ(『優唯菜のために書きます』Karin’s blog)、こちらもぜひお読みください。

風疹の予防で最も有効とされているのは風疹ワクチンの接種です。一人でも多くの方がワクチンを接種し風疹への抵抗力をつけることで集団免疫を獲得でき風疹の流行のない社会をつくることができます。私が生まれた当時は数十万人の風疹感染者がいましたが、その約25年後の2013年は1万人であり、しかも子どものあいだでの流行ではありませんでした。風疹の抗体を持たない大人を減らすことで風疹の年間発生数をゼロに近い数字にできる段階にまできています。つらい思いをする女性を減らすために、またCRSから未来の命を守るために、できる限り多くのの方に風疹の予防接種を受けていただきたいです。

現在、各自治体で抗体検査費用(一部の自治体では予防接種費用も)の助成が行われています、多くの自治体では3月31日までが期限となっています。あと3ヶ月ちょっとで終わってしまうので、抗体検査や予防接種を検討している方はご注意ください。費用助成があることを知らない方もいます。すでに予防接種を受けた方も、周りのご家族やご友人に「風疹の予防接種やった?」とぜひ声をかけてみてくださいね。

(※NHKの風疹特集は放送を終了していますが、NHKオンデマンドで見ることができます(有料、108円)。)