雑多なこと

Comic Sans MS が読みやすいと聞いて試してみたら目から鱗が落ちた話。

更新日
この記事は約4分で読めます。

ひょんなことからエンジニアになってしまい、仕事で1日中パソコンの画面を見ることが増えました。白内障の手術の影響で光が拡散してしまうため、なかなか自分に合うフォントが見つかりません。

プログラミング用のフォントの話題ですが、プログラミングに限らず、ワードやエクセルといったオフィス系ソフトを使うときにも、自分にあったフォントを選んで使うのはおすすめです。目の疲れがとても楽になりますよ。

プログラミング用のフォントは、可読性が高い。

プログラミング用の英字フォントといえば、Source Code ProやMenloなど、さまざまな種類があります。特徴としては、大文字のOと数字を区別するために0にスラッシュが入っていたり、lの小文字と|(縦棒)が区別しやすいようになっていたりします。

Fira Codeのように合字フォントといって、複数の文字をひとかたまりにして見やすくしてくれるものもあります。イコールとノットイコール、あるいは大なりと大なりイコールの区別がしやすくなります。こんなイメージです。

Fira Codeの合字の例

Comic Sansが読みやすいと聞いて半信半疑で試してみたら、目から鱗が落ちたでござる。

最近、ディスレクシア(識字障害)を持つ人で、Comic Sansが読みやすいという人も比較的多いらしいということを知りました。ウエイトが太めで線がぼやけないのと、特徴があって文字を区別しやすいというのが理由らしい。

どんなものかしらと思って試してみたら、ものすごく読みやすい。光が拡散してしまってタテヨコのラインがぼやけてしまうんだけど、ウエイトが太めだから認識できるし、それぞれの文字に特徴があるから文字が浮いて泳ぐなんてことも起きにくい。かつてはめちゃくちゃダサいフォントとして批判を浴びたこともあったけど、デザインに無駄がなくて美しいフォントがかえって読みづらくこともあるんだってことを知りました。

ディスレクシアを持つ方向けの英字フォントで有名なのは、OpenDyslexicというフォントだそうです。あえていびつな形にして識別しやすくしているのだとか。他にも、文字が上下逆さまになっていたり、アルファベットの下にひげをつけて区別しやすくしたり、さまざまな工夫をこらしたフォントがあるようです。

日本語フォントはUDフォントがイチオシ。Windows10ならBIZ UDゴシック&明朝とUD教科書体が標準装備。

最近増えてきているのがUDフォントといわれるものです。今年の手帳売り場を見ているといくつかUDフォントを使った製品が登場してきました。UDフォントを使って、さらにカラーユニバーサルデザイン配色。駅の案内表示も、読みやすく、色に頼らないデザインが増えていると感じます。

そんなUD書体ですが、Windows10からモリサワのBIZ UDゴシックとBIZ UD明朝がバンドルされるようになりました。今はさらにUD教科書体もバンドルされています。Macにもヒラギノなど定評のあるフォントがありますが、UD系の可読性の高いフォントはまだ入っていないように思います。

さて、欧文フォントとは別に日本語フォントを設定できる環境(BracketやAtom)であれば、自分が好きな欧文フォントにBIZ UDPゴシックやUD教科書体、ヒラギノ丸ゴシックを組み合わせるのがベストです。(ただし、BIZ UDPゴシックは、単体で使うと全角英数と半角英数の区別がつきにくいように思います。)

一方で、IntelliJ系のIDE(PyCharmやAndroid Studio)のように、欧文フォントと日本語フォントを別個に指定することができない場合は、Mgen+ (ムゲンプラス)RictyDiminishedを使うことも考慮しなければなりません。英字がComic Sansっぽくて、かつ日本語も(クセがあるけど)表示されるものであれば、「ゆたぽん(コーディング) フォント」というフォントもアリだと思います。

フォントを変えるだけで読みやすさがグンと上がる!

上記に挙げたもののうち、Comic Sans MS, OpenDyslexic, Fira Code, ゆたぽんの比較画像を作成してみました。

フォントの違いで読みやすさがこんなに違うんだなあということを感じていただけるかと思います。

Comic Sans MS, OpenDyslexic, Fira Code, ゆたぽんの比較画像。

上記画像のカラーテーマはNordをベースにカスタマイズしたものです。このテーマも目が疲れにくくてすばらしいです。コンセプト自体も北極の景色をイメージさせるもので素敵です。

以前何かで読んで少しうろ覚えなのですが、目の病気が原因で就労が困難になり、もう自分はこの会社で働けないのではないかと思った。そこで産業医がパソコンの画面を黒白に変えるようにアドバイスした。するとこれならパソコンを使えると前向きに復職を考えるようになった(結果的には退職となったようですが)、そんな話を読んだ記憶があります。

コマンドプロンプトやターミナルの背景が昔から黒い理由は、黒い画面のほうが目が疲れないから。もちろん白い背景のほうが読みやすいという人もいるのではないかと思いますし、青色の背景に黄色い文字が読みやすいという方も、視覚障害を持つ方の中にはいらっしゃるようです。

普段のお仕事の中で自分が読みやすいと思うフォント、そして色や文字の大きさをぜひ試してみてくださいね。あとComic Sansはイチオシです。むちゃくちゃ読みやすいです。

コメント

  1. 千葉直 より:

    Window10のNotedpad++でComic Sans MSを試してみました。
    読みやすい!
    これでプログラミングの既読性も高まりそうです。

    • 風見サクラコ より:

      ですよね、すごく読みやすいですよね。

      最近、実はもっと読みやすいフォントを見つけてしまいました。毎月330円のサブスクリプションですが、MORISAWA BIZ+にバンドルされている「BIZ UD新ゴ」を使っています。英語だけでなく日本語も読みやすくなり、目の疲れがとても楽になりました。

      特に、「BIZ UD新ゴ」と英数フォントの「UD DigiKyo Latin」を組み合わせるとものすごく快適です。
      ただし、「UD DigiKyo Latin」は”|”(縦棒)が英語ノートの罫線(四本線)に変換される仕様なのが難点。
      Webブラウザー(ChromeやFirefox)では、スタイルシートを使って縦棒だけを他のフォントと置き換えることができるので、「BIZ UD新ゴ」と「UD Digikyo Latin」を組み合わせています。

      プログラミングをするときは、「UD新ゴ」「Comic Sans MS」「HackGen35」の3種類を気分と体調によって切り替えています。