先日、墨田区の母子保健研修に参加させていただき、最後のほうで3分ほど少しお時間をいただいて、風疹のことで悩んでいる人が一人ぼっちにならないようにしてあげてください、と簡単にお話させていただきました。墨田区は、私の出生地であり(育ったのは別の区ですが…)、貴重な機会をいただけたことをありがたく思います。
内容は、人工内耳や聾学校の乳幼児教育相談についてのお話などで、特に新生児聴覚スクリーニングについては最近の動向を聞けて参考になりました。大学病院や大きな総合病院でも、スクリーニングを実施していない病院があるという話があり、衝撃を受けました。また、スクリーニングを実施したあとのケアも十分とはいえないと感じました。
人工内耳についてはさまざまな意見があるのですが、難聴の発見自体は、一日でも早いほうがいいです。人生の中で親子で一緒にいられる時間は限られているので、親子が一日でも長く笑顔で過ごせる時間を持てるようにしてあげてほしいと思います。親子間のコミュニケーション手段を確保し、子供が安心して過ごせるような環境を整えてほしいです。大人になったあとも、健聴者と等しく情報にアクセスできるように、いつでもどこでも手話通訳や要約筆記による情報保障を受けられるようにしてほしいです。
行政のみなさん、CRSの子をもつお母さんやCRSで生まれた子たちが路頭に迷うことがないよう、ご支援をお願いいたします。私も、今年生まれてきたCRSの赤ちゃんが大きくなるまで、微力ながら支えていきたいと思っています。
そもそもの原因である風疹については、今下火になりつつありますが、大流行の芽はまだ残っています。下火になっている今のうちに、しっかりと芽を摘み取ってほしいです。2020年の東京オリンピックで、わが国が大恥を掻くようなことがあってはなりません。
神奈川県では、黒岩知事が『神奈川県風疹撲滅作戦』と称して『(1)神奈川で風しんの流行を発生させない (2)今後、妊娠する人から先天性風しん症候群(CRS)を出さない』ための取り組みを行っていくと宣言しました(定例記者会見(2013年12月26日)結果概要)。風疹の根絶に向けた取り組みが行われるということで、神奈川県民として嬉しく思います。他の都道府県の良いモデルとなってほしいです。