7月6日はワクチンの日。近代ワクチンの父といわれる、ルイ・パスツール博士が、9歳のこどもに狂犬病ワクチンを接種したといわれている日なのだそうだ。
狂犬病は発症すればほぼ100パーセント助からないといわれる恐ろしい病気で、神経症状に苦しみ最期には昏睡状態となって死に至る。日本は狂犬病清浄国であるが、アジアやアフリカ、南米の国々では今も狂犬病が発生しており、2006年に海外で感染した患者さんが2名亡くなった。
(※画像の出典: 狂犬病の発生状況、厚生労働省健康局結核感染症課、WHOの報告をもとに2016年6月28日作成)
きわめてまれだが助かる人もいる。今年の1月にもブラジルの14歳少年が狂犬病から生還したというニュースがあり、日本をはじめ各国で報道された。彼を救ったのは「ミルウォーキー・プロトコル」とよばれる治療法である。狂犬病ウイルスが脳に達しないように昏睡状態にして抗ウイルス剤を投与し、免疫系が抗体を産生してウイルスを撃退できるようになるまで待つというものだ。
ワクチンで防げる病気をVPD(Vaccine Preventable Disease)という。風疹や麻疹、水ぼうそう、おたふくかぜなどもワクチンで防ぐことができる病気だ。
昨日7月7日は七夕。風疹で命を落とすこどもがいなくなりますように。防げるはずの病気で障害が残ったり命を奪われる人が減りますように。雨雲を超えてこの願いが天に届くことを祈っている。