週間モーニング連載「コウノドリ」風疹編、完結しました!

先週発売されたコウノトリ三話目。最終回でした。

妊娠7週で風疹に罹ると、赤ちゃんが先天性風疹症候群になる可能性が80パーセント。いきなりすごい数字が出てきましたね。
しかしそれはあくまでも統計上の数字であって、100パーセント、重度の障害を持った赤ちゃんが生まれるとは限りません。かりに全て揃ったとしても、軽い難聴だけですむ場合があるし、私も心臓病は何もしなくてすみました。実際に障害があるかどうかは産んでみないと分からないのです。

赤ちゃんが100パーセント大丈夫ということは、残念ながら、私の口からも言えないのですが、一つ確実にいえることがあります。我が子が障害を持っているからといって、イコール不幸で惨めな人生になるというわけではないということです。ハルカちゃんのように、ピアノが大好きで、あこがれのベイビーと『A列車で行こう』を弾ける幸せに巡りあえる子もいるのです。ハルカちゃんのように、自分がやりたいことに夢中になって、自分の行きたいと思う道に進んでいれば、どこかで思わぬチャンスに巡りあえるものなのです。

ハルカちゃんは、漫画の中の女の子だけれど、実際に全盲で世界的なピアニストとして活躍している方がいます。辻井伸行さんという方です(公式サイト『辻井 伸行 Official Web Site ++ Nobu Piano. ++』)。この方の趣味は、ピアノだけでなく、水泳やスキー、スケートなど、全盲の人には無理なんじゃないかと思われるようなものが連なってて、無理だと思われることでも、自分がやってみたいと思ったことには挑戦するという姿勢が素晴らしいと感じます。

伸行さんのお母さんである、辻井いつ子さんは、このようにおっしゃています(『「今日の風、なに色?」~息子・辻井伸行と歩んだ道のり~』ひろげよう、人権)。全盲の福澤美和さんが書かれた『フロックスはわたしの目』(文春文庫)という本を読んでこのように感じたのだそうです。

 それまで私は、「見えない」ということにとらわれるあまり、その人がその人らしく生きていくということに気が回りませんでした。障害に関する本は少なく、当時は、障害というマイナスをいかに克服して社会に適応するか、といった本ばかり。生まれてきた子どもの才能を伸ばすよりも、いかに社会という枠にはめ込むか、そういったことを書いた本が多かったように思います。

障害は、社会という枠から考えればマイナスかもしれないけど、本人には、マイナスやプラスという概念そのものがありません。辻井さんにとっては見えない世界があたりまえのように存在しているのです。私も、聞こえる世界に行ったことはなく、比較対象がないので、どちらがマイナスで、どちらがプラスなのかは分からない。それを他人がマイナスであるとか不幸であるとか決めつけて、この子は将来ダメになるんだと考えるのではなく、その子自身にとってプラスとなる方向に向けてあげように、と考えてほしいと思います。

風疹関連では「遙かなる甲子園」という本があります。風疹障害児のために6年間の期間限定で設立された北城聾学校の人たちが、聞こえない子供に野球なんて無理だ、危険だという声を乗り越えて、甲子園での大会に出場しています。自分たちの身で、聞こえなくても野球はできるのだということを証明したのです。

このように、障害を持っていることが、不幸で惨めなことであるか、ということについては、そうとは限らないということは、既に多くの先人の方々が証明してくださっていると思います。

厳しい現実はあるにはあるのですが、障害児であっても、健常の子供と同じように、無限の可能性を秘めていて、親が驚くほどの成長を見せてくれるのだということも、「コウノトリ」で感じていただけるとうれしいです。

 

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