風疹ゼロアクション – 2020年の五輪に向けて

風疹Zeroアクション - Idea, Plan, Action

風しんの流行をなくすために、あなたにできることがあります。
風疹ワクチンを打とうかな(Idea) いつやるの?(Plan)  さあ行動しよう!(Action)

2018年~2019年、風疹が再び流行中。

あなたは2013年、風疹が流行っていたことを覚えていますか?2018年、風疹が再び流行中です。東京、千葉、神奈川、埼玉そして愛知を中心に全国各地で風疹に感染する人が増え続け、2018年には累計2,917件の報告がありました。そして今年は9週時点で768件。このまま続くと2013年なみの大流行となるおそれがあります。

  • 風疹、先天性風疹症候群はワクチンで予防できる病気です。
    妊婦さんが感染すると病気や障害を持った赤ちゃんが産まれることがあります。
  • 30~50代男性は風疹の免疫保有率が低いため、特に要注意。
    定期の予防接種をうける機会がなかったか1回しか接種していない人がほとんどです。
  • 風疹の予防接種(MRワクチン)、抗体検査を受けましょう。
    自治体の費用助成を活用してください。会社から助成金が出ることもあります。

風疹、先天性風疹症候群はワクチンで予防できる病気です。

風疹は妊婦さんと赤ちゃんにとって大変危険な病気です。健康な大人であれば数日で治ることの多い病気ですが、お母さんのお腹の中で風疹に感染すると、赤ちゃんが目や耳、心臓などに病気や障害を持って生まれる「先天性風疹症候群」という病気で生まれることがあります。

風疹に感染した時期と赤ちゃんの病気の関連

お腹の中で風疹に感染してしまった赤ちゃんは一生病気と闘わなければなりません。生まれてくることができずにお腹の中で死んでしまう赤ちゃんもいます。

2013年の風疹大流行では、14,344人の報告があり、45名の先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれました。2012年から2014年にかけて生まれた45名のうち11名が死亡しており(10名が生後半年以内に死亡)、11人のうち10人は生まれつきの心臓病を持っています。風疹が流行していなければ、失われることのなかった命です。

34名のサバイバー(生存者)となった子どもたちも、心臓病や難聴、白内障などの病気や障害をかかえており、彼らの人生に大きな影響をおよぼしています。病気のために手術を受けなければいけなくなったり、つらいリハビリを受けたりしなければなりません。

目や耳に障害を持つこどもは、外からの情報が入りにくく、生活の場面で不便なことがあったり、周りの人とのコミュニケーションを取ることが難しかったり、障害のためにできないことや苦手なことで苦労することもあります。

彼らは、風疹が流行していなければ、病気や障害をもって生まれてくることはなかったのです

風疹の流行は、あと一歩でなくせます。

長期的に見ると、風疹の流行は過去に比べると激減しており、風疹の流行をなくすことができる一歩手前のところまできています。1987年には、全国で40万件以上の報告があったのが、2004年には4千件と、100分の1になりました。CRS児も、1987年には年間で少なくとも100人(聾学校のみの調査のため実際はもっと多いと考えられます)いたのが現在は減少しています。

妊婦さんが風疹にかかったことで周囲からのプレッシャーを受けて、中絶を選択したケースもあります。1975年、1982年の風疹大流行では、風疹で赤ちゃんに障害が出ることをおそれての中絶が約10,000例ありました。

風疹ワクチンの定期接種は、1977年6月から女子中学生を対象に開始されました。1987年の大流行のころまでは、妊娠適齢期の女性もワクチンを打っていなかった人が多く、自然感染が中心の時代です。かつては風疹のせいで多くの命が奪われていましたが、ワクチンによる予防が始まったことにより、流行をなくすことが可能になりました

30代~50代の男性は特に要注意。

2018年の夏ごろから続く風疹流行では、30代から50代の男性の感染が目立っています。2013年の大流行のときもこの世代の方を中心に流行が拡がりました。

30代から50代の男性は、2017年の抗体保有状況を見ると、他の世代と比べて風疹への免疫を持たない人が多いのです。予防接種を受ける機会がなかったか、中学生のときに1回だけしか接種しておらず、現在標準となっているMRワクチンの2回接種を受ける機会がありませんでした。2019年4月2日時点でのワクチンの接種状況は下記の通りです。

男女差が生じている理由は、風疹ワクチンを導入する際に、女子にだけワクチンを接種するイギリス方式を採用したためです。アメリカでは男女に風疹ワクチンを接種し、風疹の流行を減らすことができたため、後になって、アメリカ方式に転換したのです。

今日では子どもへの予防接種が進んでいるため、風疹に対する抵抗力を持っていない大人への予防接種を進めれば、今後の流行を食い止めることができる可能性が高いです。

流行を止めるために、ワクチンを打ちやすい環境作りを。

「風疹に関する特定感染症予防指針」 (厚生労働省)では「早期に先天性風疹症候群の発生をなくすとともに、平成32年度までに、風疹の排除を達成する」とあります。2013年の風疹大流行を踏まえ、5年あれば対策できるだろうと考えて立てられた目標でした。しかし、2018年、再び風疹の流行がおきてしまいました。

2013年に大流行がおきたときにも男性の感染者が多いことが指摘されていましたが、妊娠を希望する女性(とそのパートナー)を費用助成の対象とする自治体が多く、かつての医療政策により予防接種を受けられなかった世代の接種が進まなかったことが大きな原因と考えられます。

2019年度から、より「風疹の追加的対策」が始まり、2022年3月31日までの間に限り、昭和37年(1962年)4月2日から昭和54年4月1日(1979年)までの間に生まれた男性が風疹に係る定期の予防接種の対象者として追加されました。初年度(2019年度)は1月時点で39~45歳の方にクーポン券が送付され、原則として無料で予防接種を受けることができます。

ただし、抗体検査を受検し、抗体価が低い(HI法で8倍以下)と判定された人が予防接種の対象となります。

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詳しくは、厚生労働省ホームページの「風疹の追加的対策について」をご確認ください。

予防接種空白世代への定期接種が実現したことは喜ばしいことですが、抗体検査を前置したことにより、2度の受診行動が必要となります。そのため、職場での集団接種を推進するなど、働き盛りの男性をターゲットに予防接種を受けやすい環境作りを整える必要があります

職場での費用助成や集団接種に取り組む企業もあります。

働き盛り世代の男性が感染し、同じ職場にいる妊婦さんや家庭に持ち込まれて妊婦さんが風疹に感染してしまうと赤ちゃんの命が危険にさらされてしまいます。自分自身が感染した場合も、高熱が続き入院が必要となり、同僚への二次感染が生じるなどして業務に影響が生じることもあります。

組織のトップマネジメントが風疹に罹患した場合、社外への影響もさけられません。市長が風疹に罹患して休むことになったり、重要な国際会議において風疹に罹った事例も発生し、ニュースになっています。

こうした状況をふまえて職場での流行を防ぐために風疹対策を社員に呼びかけたり、社内で抗体検査や集団接種を実施したりワクチン接種の費用補助を行うなどの取り組みをすすめる企業もでてきています。

2018年の流行で早期にアクションを起こしたいくつかの企業はモデルケースとして取り上げられ、テレビや新聞のニュースの話題になったり「風疹ゼロプロジェクト」で表彰されました。社員のワクチン接種で社会に貢献している、感染症対策に積極的で妊婦さんでも安心して働ける会社というポジティブなイメージを社会に与えたのではないでしょうか。

風疹の流行をなくすために、あなたにできること。

風疹の流行をなくし、先天性風疹症候群で亡くなるこどもや障害を持つこどもをゼロにするためには、あなたの力が必要です。あなたが行動を起こせば、未来のいのちを守ることができます

あなた自身が風疹から身を守りましょう。

  1. 風疹への免疫を持っているか確認する。
    記憶はあてになりません。母子手帳などで記録が残っていることを確認してください。1歳以上で2回接種を受けた記録がない場合は、抗体検査を受けてください。
  2. 抗体検査の結果、抗体価が低かったら、MRワクチン(麻しん風疹混合ワクチン)を接種する。
    MRワクチンは、お近くの「内科」「小児科」あるいは「トラベルクリニック」で打つことができます。風疹単体のワクチンもありますが、麻しんへの免疫をつけるためにMRワクチンをおすすめします。海外から輸入したMMRワクチンを接種できる病院もあります。
  3. 抗体検査や予防接種を受けたら、母子手帳などに記録を残す。
    医療機関への就職や海外留学で、記録の提示を求められることがあります。今後風疹が流行ったときに「あれ?打ったっけ?」とならないためにも、記録を残すようにしてください。

抗体検査や予防接種は、自治体などから補助金が出る場合があります。条件は各自治体によって異なりますので「○○市 風疹ワクチン 助成」などのキーワードで検索するか、担当部署へおたずねください。会社や健康保険組合が助成を行っていることもあります。

周囲の方に予防接種を受けるように呼びかけてください。

風疹の流行を食い止めるには、風疹が外から入ってきても流行が起きないように、社会全体で風疹への免疫をつける必要があります。多くの人が予防接種を受けることで、これから生まれる赤ちゃんの命を守ることができます。

あなたの隣にいる同僚は風疹が流行っていることも知らないかもしれません。まずは近くにいる人に「最近、風疹が流行っているらしいよ」とシェアしてください。また、ツイッターで「風疹ワクチンを打ってきました」とツイートするのもよいでしょう。