風疹の症状と予防について

最終レビュー:2019年2月3日

風疹とは?

[image:風疹ウイルスの顕微鏡写真]風疹は、風疹ウイルスが原因で起こる感染症です。せきやくしゃみなどの飛沫感染によって感染し、2~3週間の潜伏期間を経て発症します。主な症状は、発熱(38~39度)、発疹、リンパ節の腫れ(耳の後部など)です。

発症後は、3日前後で熱が下がり発疹も徐々に消えますが、血小板減少性紫斑病(1/3,000〜5,000人)、急性脳炎(1/4,000〜6,000人)を合併することがあります。

症状の出ない不顕性感染が15~30%の割合で起こります。症状がなくてもウイルスは排出されます。知らないうちに感染して他の人に移してしまうこともあります。

さらに、妊娠中に風疹にかかると赤ちゃんがおなかの中で風疹に感染し「先天性風疹症候群」(CRS:Congenital Rubella Syndrome)という病気をもって生まれることがあります。2013年の大流行時にも、45人のCRS児が出生し、うち11名が亡くなりました。

風疹の予防に最も効果があるのは風疹ワクチンの接種です。流行を食い止めるには社会全体で風疹への免疫をつける必要があります。マスクや手洗いも、効果はあるものの風疹の流行を止めるには不十分とされています。

風疹はほかの人にうつる病気です。風疹かも?と思ったら、学校や会社を休みましょう。「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(感染症法)では五類感染症に指定されており、全数報告(診断から7日以内に保健所へ届出)の対象です。また、「学校保健安全法」(施行規則)では、第2種の学校感染症とされ、発疹が消失するまで出席停止となります。

風疹はインフルエンザよりも感染力が強い?

発疹の出る2~3日前から発疹がでたあとの5日くらいまでの間は感染力があり他の人にうつしてしまう可能性があると考えられています。どのくらい感染力があるのでしょうか?

結論からいうと、1人の感染者から7~9人を感染させる力があり、インフルエンザよりも感染力が強いです。ですから、風疹がはやると、インフルエンザと同じように、職場の同僚がバタバタ倒れるなんてことも起こりうるのです。

この感染力の強さは「基本再生産数(R0)」という指標で表すことができます。基本再生産数とは、免疫を持たない人の集団の中に感染者が一人入ったときに、他の人が何人感染するかを表した数です。

この基本再生産数から「集団免疫率(H)」を計算することができます。集団免疫率は、ある集団においてどのくらいの割合の人が感染症に対する免疫を持っていれば流行を防ぐことができるかを表しています。H = (1-1/Ro)*100 という計算式で求めることができます。

計算をすると風疹は、基本再生産数が7~9で、インフルエンザより感染力が強く、麻疹やおたふく風邪(ムンプス)より感染力が弱いということが分かります。

感染症 基本再生産数(R₀) 集団免疫率(H) (%)
麻疹 16~21 90~95
ムンプス 11~14 85~90
風疹 7~9 80~85
水痘 8~10 90?
ポリオ 5~7 80~86
天然痘 5~7 80~85
百日咳 16~21 90~95
インフルエンザ 2~3 50~67(*小学校の集団)

(出典:国立感染症研究所 感染症情報センター 平成20年度 感染症危機管理研修会プログラム4資料「わが国におけるプレパンデミックワクチンの開発の現状と臨床研究」)

風疹の流行をなくすためには、集団免疫率を高め80~85%以上をキープしなければなりません。2013年の風疹大流行は、過去に風疹ワクチンの定期接種を受ける機会のなかった世代の集団免疫率が低く、職場で流行が拡大しました。集団免疫率が高ければ風疹の流行が起きず、病気などの事情で予防接種を受けられない人も含めて、社会全体が守られることになります。

もし妊娠中に風疹にかかったら

妊娠中に風疹にかかってしまったら、どうすればよいでしょうか?

先天性風しん症候群といっても、症状のでかたは人によって異なります。そしてそれは、風疹にかかった時期など、そのときの状況と関連があります。一般には、週数が遅いほど、命にかかわる合併症のリスクが下がるといわれています。

風しんにかかったか、あるいは、その疑いがある場合には、まず担当の先生とよく相談してください。

担当医を通して各地域の二次相談窓口に相談すると、詳細な情報を得られますから、ぜひ活用してください。説明を受けた上でカウンセリングや胎児診断を希望することもできます。

安易に判断せず、専門家からの情報を得たうえで、妊娠を継続するかどうか判断なさってください。なお、二次相談窓口の一覧は以下の通りです。

地区 施設名
北海道 北海道大学附属病院産科
東北 東北公済病院産婦人科
東北大学病院産科
関東 三井記念病院産婦人科
帝京平成短期大学
横浜市立大学附属病院産婦人科
国立成育医療センター周産期診療部
東海 名古屋市立大学附属病院産婦人科
北陸 石川県立中央病院産婦人科
近畿 国立循環器センター周産期科
大阪府立母子保健総合医療センター産科
中国 川崎医科大学附属病院産婦人科
四国 国立香川小児病院産婦人科
九州 宮崎大学附属病院産婦人科
九州大学附属病院産婦人科
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