先天性風疹症候群(CRS)とは?

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このページでは「先天性風疹症候群」がどんな病気なのか解説していくね。

「先天性風疹症候群」(CRS:Congenital Rubella Syndrome)をひとことで言うと、お腹の中の赤ちゃんが風疹に感染することによ免疫・ワクチン接種歴が確認されているスタッフが担当ケア前後の手洗い(通常と同じ)MRワクチン接種前の児童との直接の濃厚接触を避けるって起きる病気の総称のことなんだよ。

三大疾患に心疾患、白内障(緑内障、色素性網膜症)、感音性難聴があり、そのほかに小頭症、精神発達遅滞、髄膜脳炎、X線透過性の骨病変などを合併することが知られている。

これらの病気はお母さんが風疹に感染して、胎盤を通して風疹ウイルスが赤ちゃんに移行する。風疹ウイルスが赤ちゃんの体の中に入り込んで、心臓や目、耳などの成長を止めてしまうために起こる。

特に心臓病は赤ちゃんの命をおびやかすんだ。心臓や肺が弱いためにお腹の中で死んじゃったり、早く生まれてきてしまうんだ。実際に、2013年に11人の赤ちゃんがCRSで亡くなったんだけど、そのうちの10人は何らかの心疾患を持っていて、心臓病や肺炎で亡くなったことが分かっている。

人間のからだの重要なパーツは妊娠3ヶ月までに作られるんだ。器官形成期といって、脳や中枢神経、心臓などが作られていく。この時期にお母さんが風疹にかかってしまうのが赤ちゃんにとって最もリスクが高い。

CRSになる確率は、妊娠4~6週のあいだで50%以上、2ヶ月で35%、3ヶ月で18%、4ヶ月で8%と減っていく。20週を過ぎると大きな影響はほとんどないとされている。

先天性風疹症候群の診断基準

さて、先天性風疹症候群は、五類感染症に指定されており、感染症法に基づいた医師の届け出が必要だ。届け出には、以下の「臨床症状」と「検査診断」の両方の条件を満たす必要がある。(具体的な項目はページの最後に載せておくね。)

つまり、症状が出ているだけじゃなくて、生まれる前に風疹に感染した証拠が必要なんだ。CRSで生まれた赤ちゃんの咽頭拭い液、唾液、尿からは、長期間にわたってウイルスが排出されることが知られていて、これが重要な手掛かりになる。

だから、出生後長期間が経ってしまうとCRSだとは分からないこともある。逆にCRSと早く知ることができれば、それを手掛かりに難聴や白内障を見つけて、早期の療育や治療に結びつけることができるんだよ。

ちなみに、これらの症状が出ていない場合を先天性風疹感染(Congenital Rubella Infection)というんだけど、症状がでていなくてもウイルスは検出されるんだ。

ウイルスが検出されるということは、他の人に感染させてしまうかもしれないということでもある。だから、CRSやCRIだと早く気づくことができれば、まわりの大人や赤ちゃんにうつさないように対策をとれるということでもある

女性:
早く見つけてあげて、療育や治療に結び付けてあげることが大事なんですね。
ルベペン:
その通り。生まれたばかりで障害が次々と分かることは残酷なことのように思えるけど、CRSだとわかることで医療や福祉の支援が受けられ、まわりへの感染を防ぐ対策もとれるんだ。

補足として、『感染症法に基づく医師及び獣医師の届出について』のページに記載されている届け出基準を引用しておくよ。

ア. 届出のために必要な臨床症状
(ア) CRS典型例;「(1)から2項目以上」又は「(1)から1項目と(2)から1項目以上」(イ)その他;「(1)若しくは(2)から1項目以上」(1) 白内障又は先天性緑内障、先天性心疾患、難聴、色素性網膜症(2) 紫斑、脾腫、小頭症、精神発達遅滞、髄膜脳炎、X線透過性の骨病変、生後24時間以内に出現した黄疸
イ. 病原体診断又は抗体検査の方法
(ア) 以下のいずれか1つを満たし、出生後の風しん感染を除外できるもの
分離・同定による病原体の検出(咽頭拭い液、唾液、尿)
PCR法による病原体の遺伝子の検出(咽頭拭い液、唾液、尿)
IgM抗体の検出(血清)
赤血球凝集阻止抗体価体の推移から予想される値を高く越えて持続(出生児の赤血球凝集阻止抗体価が、月あたり1/2の低下率で低下していない。)(血清)