抗体検査 – 風疹への免疫を持っているかどうかを調べる

「記憶」ではなく「記録=母子手帳」で確認を。

母子手帳に、ワクチンをいつ、どこで打ったか記録が残っていれば、予防接種を受けたという証拠になります。

お母さんに聞いて「風疹?確か、あなたは5歳の時にかかったはずよ」といわれたとしても、その記憶をアテにしてはいけません。風疹は麻疹などと間違えられやすい病気。お医者さんでも正しく診断がつけられないことがあります。

「記憶」よりも「記録」。生涯のうち2回、予防接種を受けたという記録が残っていることが重要です。

予防接種記録がなければ血液検査でチェック。

風疹に対する免疫は、血液検査で調べることができます。ですからお近くの医療機関で受けることができます。

費用は自費で数千円かかりますが、東京都や神奈川県など、妊娠を希望する女性や同居者向けに風疹予防対策で抗体検査費用の助成を行っている自治体があります。近くの医療機関で受けられる場合もあれば、保健所で実施されている場合もありますので、あらかじめ確認するようにしてくださいね。

2019年から昭和37年4月2日から昭和54年4月1日生まれの方も、無料で抗体検査を受けられることになりました。抗体価が低いと判定(HI抗体価8倍以下。未満ではなく以下であることに注意)。されたら定期接種の対象になります。実施方法は自治体により異なりますので各自治体のウェブサイトで確認してください。

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妊娠初期の検診でも風疹の抗体価を調べますが、妊娠したあとで抗体価が低いことに気づいたら「風疹にかかってしまったらどうしよう」と不安になるものです。妊娠する前に調べて予防接種を受けておきましょう。

不妊治療を受けている方は、治療開始前に抗体価をチェックしておくことをおすすめします。接種後2ヶ月避妊するのは時間がもったいないと思うかもしれませんが、「あのときやっておけばよかった」と後悔しないためにも、抗体価が低い方は予防接種を受けてください。

妊婦や医療関係者などはより高い抗体価が必要。

検査の方法は主にHI法とEIA(EILSA)法が使われています。下記の表に検査結果の基準を示します。

HI法 EIA法
(IgG)
結果
8倍未満 陰性 風疹の免疫を保有していない。
8倍、16倍 8.0未満 風しんの免疫は保有しているが、感染予防には不十分である。
32倍以上 8.0以上 風疹の感染予防に十分な免疫を保有していると考えられる。
※EIA法(IgG)はデンカ生研社のキットを使用した場合の値です。国際単位(IU/mL)の場合、上記の8.0という値が、(1) 30 IU/mL または (2) 45 IU/mL となります。(1)か(2)かは使用した検査キットによって異なりますので、検査結果をご確認ください。

上の表で「風疹の免疫を保有していない」に該当した方は、風疹ワクチン接種をおすすめします。

「風しんの免疫は保有しているが、感染予防には不十分である。」に該当する人も、風疹ワクチン接種を検討してください。特に、妊娠を希望する女性とその同居者や医療や福祉、教育に従事する人(=不特定多数と接する職業の人)は、HI抗体価で32倍以上必要です。

風疹だけでなく麻疹や水痘、ムンプス(おたふく)などの免疫も持っているかどうか確かめておくとよいでしょう。

なお、抗体検査は必ずしも必要というわけではありません。過去の感染あるいは過去の予防接種で風疹の免疫を持っている人が予防接種を受けても特別な副作用は起きないとされています。海外渡航などで時間に余裕のない場合は予防接種を接種を優先することをおすすめします

日本環境感染学会による『医療関係者のためのワクチンガイドライン 第2版』によれば、(1)2回の予防接種歴があれば抗体価検査は必須でない (2)記録がない場合は抗体価検査を行い、陰性または陽性(HI抗体価32倍未満)であれば、1回または2回の予防接種を受け記録を保管して終了 (3)予防接種の記録がなく抗体価陽性(HI抗体価32倍相当)であれば記録を保管して終了(必要に応じて4~5年後、1度だけ再検査) となっています。保育士や教育関係者など予防の必要性が高い職業についている場合は、医療関係者向けのガイドラインを参考にして対応するとよいでしょう。
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