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年別アーカイブ: 2017年

手術から1年経ちました!

緑内障の手術を受けました」という記事を昨年10月末に公開したのだが、その後のことを書くのをすっかり忘れていた。結論から言えば、一旦は眼圧が10前後まで降下したものの最終的には術前と変わらない眼圧に落ち着いた。ドクターいわく過去に複雑な内眼手術をやっているので眼圧が下がりにくいのでは……、とのこと。

前段階のレクトミーを飛ばしたのは私の場合何らかのトラブルが起きるリスクがあるからで、安全を優先してのチョイス。他の方法を選んだとしてそれで上手くいく保証はない気がする。今後、長期的に視野が温存できれば、やって正解ということになるのではないか?と思う。

チューブが詰まらずきちんと稼働しているのであれば中の人的にはノープロブレム。既に視野を奪われている状況から考えると、いつかは手術をやらなければいけないことは明白だったので「一度で済んでラッキー!」だと思っている。

緑内障の手術は、良くなるための手術ではなく、今の状態を少しでも長く維持するための手術であるということをよく理解して受けることが重要だ。眼科の場合は、オペ自体が医師と患者との共同作業的なところがあるので、信頼できるドクターにお任せするというのも大事なポイントだ。悩む時間は十分にあるはずなので納得するまでじっくりと考えよう。

おたふく風邪が原因の難聴も予防接種で防げる!

小学生のとき、おたふく風邪にかかったときのぷっくりと顔が膨らんだ写真はとても可愛くてお気に入りの一枚だ。このときは顔が腫れるだけで済んでよかったものの、それだけでは済まないこともある。おたふく風邪がきっかけで難聴になることがあるのだ。

日本医師会のプレスリリース「日本耳鼻咽喉科学会の調査を踏まえたおたふく風邪ワクチンの普及について」によれば、2015年から2016年にかけて少なくとも348人がムンプス難聴と診断され、約8割に高度あるいは重度の難聴が残ったことが判明したらしい。

片側難聴では身体障害者手帳は発行されない。しかし、日常生活で困る場面は大いにある。私自身、片側の耳は完全失聴だ。正面あるいは難聴側からなら不完全ながら聞こえるわけで言われていることの予測はつく。聾側から話しかけられたらもうお手上げ。会社での会議ではうっかり座る席を間違えると普段の倍くらい頭を回転させることになる。耳が2つあるのにはそれなりの理由があるはずで、この問題を軽視するべきではない。「ムンプス難聴にかかった方および子どもたちの保護者からのメール」では当事者の悲痛なメッセージを知ることができる。

ひとたび難聴になれば現在の医学では治すことはできない。再生医療が脚光を浴びているとはいえ、当分の間はこの常識が覆ることはなさそうだ。しかし、ムンプス難聴は、風疹難聴と同じように、ワクチンで防ぐことができる。ワクチン定期接種化で苦しむ親子を減らしてほしいと切に願っている。

ワクチンは大人になってから打つこともできる。私自身、一度罹患したのにもかかわらず抗体価が下がっていて予防接種が必要と判定された。男性の場合は睾丸炎で涙が出るほどの痛みを感じることもあるということなので、ぜひ予防接種を検討してみてほしい。

これから働く君へ。助成金制度を知っておこう。

視覚障害者の方へのソフト購入や聴覚障害者の方への手話通訳費用には助成金があります。申請に時間がかかりすぐ実現できるというわけではないのですが、特に就職活動中の学生さんは特に知っておくとよいと思いますのでご紹介します。

例えば、視覚障害のある方の場合どうかというと、仕事に使うツールとしてはJAWSやPC-TalkerといったスクリーンリーダーやZoomTextという拡大ソフトを使い分けて使用するわけですが、どれも高価です。なので、買う前に支援機器を借りて半年ほど試すことができます。『高齢・障害・求職者雇用支援機構』で貸し出しを受けることができます。その後、『障害者作業施設設置等助成金』という制度を利用して補助を受けて購入するという流れです。普段のお仕事の中で試しながら自分に合ったツールをじっくり時間をかけて選ぶことができるということですね。

聴覚障害向けの手話通訳に関しても「手話通訳担当者の委嘱助成金」というものがあります。ただ要約筆記担当者への委嘱助成金はなく全難聴が要望書(PDF)を出しているのですが、まだ実現していないようです。

プライベートではiPhoneやiPadが便利です。スマホはiPhoneをずっと使っているのですが、その日の調子に合わせて気軽にモードチェンジできるという点でとても気に入っています。読みづらいときは画面拡大やカメラ機能の使用、眩しいときは反転、目が死んでどうしようもないときは読み上げといったふうに時と場合に応じて柔軟にチョイスできます。もちろん全盲の人でも使用可能です。LineもTwitterもOKです。

iPhone3Gを使っていたときはコピペすらできない上に、SoftBankの電波もよくなくスマホのありがたみが全く分からなかったのですが、ここ数年で大幅に進歩したので我慢して使い続けてよかったなと思っています。Macも秀丸さえあれば使うのになあ…。

ワクチンの薬液を勝手に混ぜてはいけない、というお話。

東京都品川区のクリニックがワクチンを混ぜて接種したことが判明というニュースがありました。結論としては「本数が多くてかわいそうだからといって薬液を混ぜてはいけない」ということなのですが…。

ワクチン勝手に混ぜて接種は危険なのか?「混合液には未知の副作用も」 (BuzzFeedNews, 5月17日)

子供の予防接種に詳しい長崎大学小児科(感染症)の森内浩幸教授によると、同時に複数のワクチンをそれぞれ3センチ以上離れた場所に打つ「同時接種」は問題ないが、あらかじめ混ぜて打つことは、未知の副作用や効果の低下につながる恐れがあるという。

MRワクチンのように、もともと混合されている薬剤を接種することや、異なる薬剤を離れた場所に同時に接種することについては、安全性が確認されています。しかし、異なる薬剤をあらかじめ混合して接種する方法については、安全性が確認されていないということです。

品川区では、誤った方法で接種を受けた可能性のある人は、平成24年4月から平成29年4月までの間で計358名(書類の保存期限が5年間のため平成24年3月以前については区で確認できず)だとして、対象者に通知を送付し、抗体検査や再接種を行うとのことです。

品川区内の医療機関で誤った方法で行われていた予防接種について (品川区)

この件については、森戸やすみ先生がわかりやすく解説してくださっています。あわせてお読み下さいませ。

ワクチンを混ぜて打ってはいけません (Jasmine Cafe)

目や耳に障害を持っている人が職場で快適に過ごすためには。

もっと軽くライトに更新できればなあと思うのですが、遅筆でなかなか更新できていません。今日は、くらげさんの『聴覚障害者の自信の無さは自分の立ち位置や能力がわからないから!?ってお話』という記事を読んで「ほんまそれ!」って思ったので、その話をしようと思います。

聞こえないために、自然に情報が入らないということは、非常に深刻な問題です。聞こえる人は特に心の準備をしなくても自然に情報が入ってくるのですが、聞こえない人は「よーし、聞くぞ!」といちいち戦闘態勢に入らないと「聞く」という動作ができません。世の中には私たちが知らない音や言葉があふれているのでしょう。

「聞く」という動作そのものも大変です。日本語を聞き取るときの負荷は、瞬間英作文を日本語でやるのと似た感じです。中学レベルの簡単な英文でもすらすらと言えずに意外と頭を使いますよね。その状態が補聴器をつけている間、要は、会社で仕事をしている間ずっと続くのです。

仕事上でのコミュニケーションは、文脈があるので、事前に辞書をセットすることで正解率が上がります。問題は何気ないちょっとした会話の理解です。文脈がないので自然に聞いて理解するということはとても難しいです。たとえば、仕事をしていて誰かが注意されていたとして、その内容を知ることはできません。なので周りの状況を把握しづらいです。今の職場に入って最初の頃は周りの様子がわからなくて、しんどさを感じました。

しかし、周りの人と仕事をスムーズに進める上では、文脈のない会話を避けて通ることはできません。仕事をしている最中に聞こえないとなると、情報収集をするチャンスはランチタイムとかでの雑談です。

私の職場の場合、基本的に部署みんなでランチを食べに行くことになっていて、任意参加なので毎回参加しないという人もいますから、行かないという選択肢も許容されています。どうせよく分からないのだから行かなくてもいいのですが、少しでも情報をキャッチするために頑張って一緒に食事をとるようにしてます。

ランチタイムで情報収集をしていると昼休みなのにろくに休めずむしろ疲れるのですが、仕事以外の場で話す機会を持っておくと、普段一緒に仕事をしない人に何かお願いするときも、互いに心理的なハードルが下がるので仕事が進めやすくなる気がします。

あとは、見えづらいために、向こうから来る人が誰だか分からず、時には上司をスルーしてしまうことすらあって、ひょっとしたら相手は自分が無視されたと思うこともあるかもしれないということが気になっていました。その対策は実はシンプルで、朝会社についたとき、帰るときに、きちんとあいさつするということでした。

今の職場は、黙っていれば仕事が来るというようなことはあまりなくて(黙ってるとどうしても人が必要な仕事しか来ない)、自分で仕事を作って「これやりたいんですけど」とアピールしないといけないのですが、少し声の音量を上げたら、仕事やそれ以外の場で周りの方から声を掛けられる機会が増えましたし、いろんな仕事が回ってくるようになりました。自分の存在を周りにきちんと知らせる、ということもわりと大事なのかもしれません。

以上の二つをまとめれば、目や耳に障害を持っている人が職場で快適に過ごすためには、自分から情報をキャッチしに行くということと、取りに行くだけじゃなくて自分から相手に情報を提供する、という二つのアプローチが必要なんじゃないかということに最近気づきました。特にオチはありませんが、以上です。

相次ぐ麻疹感染のニュース。この機会に「SSPE」を知ろう。

新年度を迎えました。各地で麻疹の感染者が相次いでいます。

昨年夏に、関西国際空港での集団感染が発生し、あわせて33人の麻しん感染が確認されました(『関西空港内での麻しん(はしか)の集団感染事例について』、大阪府ホームページ)。そのうち27人は20代で、大人を中心に感染が拡大しました。報道によると、今年の3月末にも関空従業員の感染が確認されました(『関空島勤務の20代女性がはしか感染 大阪府など 注意呼びかけ』、産経新聞、4月7日)。

今年に入ってからは、山形県の自動車教習所での集団感染が話題になりました(『麻しん(はしか)患者の発生について』、山形県)。4月6日発表の第19報では54例確認されているとのことです。

風疹は胎児の生命に影響を及ぼす病気ですが、麻疹は風疹よりもさらにこわい病気です。この機会に「亜急性硬化性全脳炎」という病気を知ってください。SSPEといわれるこの病気は、小さな子どもが麻疹にかかって数年後に発症し、短期間のうちに寝たきりになってしまう病気です。「SSPEの悲惨さと青空の会の思い」という記事からメッセージを引用します:

SSPEは本当に悲惨な病気です。今まで元気に生活し、大切に大切に育ててきた我が子が、ある日突然発症し、数カ月で寝たきりになってしまうのです。目の前で見ている親の気持ちは言葉では言い表わすことなどできません。そして、患児の兄弟姉妹も、親ですらはかり知れない精神的負担を強いられます。このような、私達と同じ辛い思いをする家族がこれ以上出ることのないために、SSPE青空の会は、麻疹の恐ろしさ、SSPEの悲惨さを多くの人に知ってもらい、予防接種の大切さをこれからも訴え続けていきたいと考えています。麻疹の予防接種率が95%になればSSPEはなくなります。是非、医療、自治体なども、積極的に麻疹の予防接種率を上げる取り組みを進め、麻疹排除を推進していただきたいと思います。そして最後に、SSPEに罹ってしまった子供たちのために、早急なる治療の確立を切にお願いしたいと思います。

麻疹や風疹の予防にはMRワクチンの接種が最も有効です。今年度もMRワクチン接種の助成を継続している自治体があります。通常1万円以上するワクチンをお得に接種することができるのでぜひ助成を利用してください。

東京都
区市町村ごとの実施状況一覧(PDF)が提供されています。

神奈川県
横浜市、川崎市、相模原市、横須賀市、藤沢市、茅ヶ崎市、寒川町以外の市町村にお住まいの方の風しん抗体検査は県が担当。予防接種の助成対象および金額は市町村ごとに異なります。

「風疹ゼロ」月間だけど…。

先週ブログを更新する時間がとれなかったので1週間遅れとなりましたが、2月4日は風疹の日でした。

前日には『「後悔したから知ってほしい」妊娠中に“風疹”母親のこと思い』というニュース報道もあり、風疹に関するツイートが増えました。もうすぐ風疹をなくすことができる、そんな時代が一歩先にあるという状況下での風疹大流行、CRS当事者や医療関係者の方々の「防ぐことができたのに」という悔しい思い、そして「二度と大流行を繰り返してはならない」という想いを多くの方に知っていただきたいと思っています。

そこで、具体的なアクションとして風疹ワクチン(MRワクチン)の接種を呼びかけたいところですが、ワクチンの供給不足の問題がいまだ解決していません。定期接種にも影響が出ています。最近になってやっと国が緊急調査を始めたとのことです(はしかワクチン不足懸念 国が接種状況を緊急調査, 1/31 神戸新聞)が、しばらくの間はこの状態が続くとみてよいでしょう。

このような状況下で三重県からは『麻しん(はしか)の集団発生について』ということで2月10日現在13人の罹患が確認されています。広島県からも『インドネシアから帰国した麻しん患者の発生について』の報告が出ました。麻疹は、基本再生産数(免疫のない集団で1人の患者が何人に移すかを表す)が16〜21で、風疹の7〜9やインフルエンザの2〜3など他の感染症と比べると感染力が強い感染症です。1人でも患者が発生すれば集団感染へと結びつく可能性があります。

風疹や麻疹の怖さを認識する機会は普段ほとんどありません。集団発生や大流行が起きたときになってから自分も予防接種をしなくてはと思う方がほとんどです。そのような時こそ、広く予防接種を呼びかけるチャンスなのですが、今の状況ではあまり強くプッシュできずに歯がゆい思いがします。それでも多くの方が話題としてくださり、CRSという病気の認知度が上がるということがありがたいです。とにかく、時計の針を戻さないでほしい。前へ、前へと進めてほしい。風疹によって命を落とす子どもがいなくなりますように。

風疹ゼロプロジェクト、始動。2月4日は「風疹の日」。

日本産婦人科医会を中心に風疹ゼロプロジェクトが始動しました。2月4日を「風疹の日」として啓発活動を進めていくとのことで、来週には早速、風疹の日が到来するようです。

プロジェクトの背景は、日本産婦人科医会のウェブに掲載されているPDF(第103回(H28.11.9)みなさん風疹を忘れていませんか? -『“風疹ゼロ”プロジェクト』のとりくみ-)をお読みいただくとよく理解できるかと思います。

以前から繰り返し指摘されている通り、女性(特に妊娠を希望する方)はもちろん、30~50代の男性をターゲットにした取り組みが必要です。働き盛りの世代の方は病院に行くのに抵抗があるという方が多いと思います。私自身働き始めてから病院に行くハードルがぐっと上がりました。会社帰りに気軽に行ける、できれば就業時間中にサクッと予防接種を受けられるような仕組みを作るべきだと思います。注射が好きな人はいません。健康なのに注射などする必要があるのか、できればやりたくないというのは当然のことで、お金と時間のコストを理由にして予定を先延ばしにし続けてしまいがちです。キャンペーンを長くダラダラとやっても忘れられてしまうので、ハードルをぐっと下げた上で、集中的な啓発を行うことが必要不可欠です。

対策として最も効果があるのは予防接種を受けやすい仕組み作りだと思いますが、先天性風疹症候群という疾患があって、実際に困っている人がいるということがまず前提なので、このウェブサイトを維持するという形で様々な啓発キャンペーンに協力できたらなと思います。

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