風疹のこと

当事者のみなさん、「風疹のバカヤロー!」と叫びましょう。

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先週、三重県と和歌山県でCRSの報告があり、今年28人、昨年10月1日から32人となりました(『風疹で障害が出た赤ちゃん 32人に』NHK)。今年はたったの28人、たったの数十人しかいない──だからなんなんだ?と思われる方もいるかもしれませんが、風疹は過去に大流行を繰り返しており、すでに成人している方が全国各地にいます。

1965年の沖縄で罹患された408名の方々。それから1993年に聾学校を対象の調査で判明した1981~89年に出生した272人の方々。さらに、感染症法による届け出が義務となった1994年4月から2013年11月まで49人。合計すると729人です『風疹流行および先天性風疹症候群の発生に関するリスクアセスメント第二版』感染研)。

調査から漏れている人の存在を考慮すると、既に成人しているCRS当事者は、1,000人近いのではないかと私は思います。1993年の調査は、聾学校に行っていないケース(盲・養護学校など)は含まれていません。また、小学校入学以降に難聴だと気づくケースや、不顕性感染で罹患に気づかなかったケースも考えらるからです。

そして、一人のCRSの背景には、約60倍の自然流産や人工妊娠中絶があるという報告があります(『感染源にならないために風疹ワクチン接種を』日経ウーマンオンライン)。単純に60倍すれば、今年だけでも1,800人の命が犠牲になっているかもしれないのです。

本当は全国にたくさんの仲間がいますが、風疹に母子感染したことを、いや、そもそも自分が障害を持っているということを社会に向けてカミングアウトすること自体勇気の要る行為なので、表に出ている人はほとんどいません。しかし、いまこのタイミングで、当事者自身が「風疹のバカヤロー!」と叫ばないと、また同じ事が繰り返されてしまいます。私のような人生経験が浅い人間ではまだまだ説得力が足りないと思うので、もっといろんな立場の当事者が出てきて、発言してくれると嬉しいなあ。