目のこと

緑内障の手術を受けました

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前回の更新から約半年たってしまいましたが、最近緑内障の手術を受けたのでそのことについて書こうと思います。

緑内障の手術は悪くならないようにするための手術なのでイヤというわけにはいきません。もう使う薬がありませんと言われたらハイというしかないのです。もともと4剤併用(ルミガン+コソプト(配合剤)+アイファガン)を2年近くやっていて昨年から5剤目(グラナテック)を追加という状態だったので近いうちに手術になるだろうなとは思っていました。

緑内障の手術にはいくつか種類があるのですが、今回受けたのはチューブシャント術です。理屈は従来のトラベクレクトミーと同じで新たに水の出口を作ってやることにより眼圧を下げます。今回は「バルベルト」というインプラントを埋めこんで目の中にチューブを挿入しチューブの先についているプレートから水を出します。

実際受けてみての感想はといいますと、インプラントを入れるために大きく切開するので痛みや出血が出やすいなと思いました。成人してからの手術はこれで4回目なのですが、IOL挿入やIOL逢着のときよりも痛みが強いです。手術自体がちょっと痛くて、術後の痛みもそれなりのものです。術後4日目にひどい術後痛がきたのはさすがに想定外でした。出血については、最初は視野が黄ばんでいて指の本数が分かる程度だったのが色が白くなり少しずつ見える範囲が広がっていきます。この痛みや見えづらさは時間の経過とともに良くなってきており、ある程度落ち着くまで10日前後ほど掛かると思われます。

実際に眼圧を下げるのはこれからです。急激な眼圧低下を起こさないための仕掛けがしてあり傷口が安定したら抜糸して水が流れるようにするようです。それまでは眼圧を下げる点眼薬を使わずに過ごします。手術していないほうの目には点眼が必要なのでエラーを起こさないように気をつけなければいけません。左には緑内障の薬、右には術後の点眼(抗菌剤とステロイド)となるので注意が必要です。

ところでこのチューブシャント術、海外では20~30年前からの実績があり初回手術での適応もあるようですが、日本での保険適応は2012年からで難治症例のみに限られている状況です。つまりこの手術で助かったかもしれない患者さんを助けることができない状態が長い間続いていたということになります。最近では参天製薬が緑内障用デバイス“MicroShunt”の開発元である米InnFocus社を買収しており、今後は新たなデバイスが使えるようになるのではないかと期待しているところです。