小泉進次郎氏が党内へ風疹予防呼びかけ、経団連へ協力要請。日本医師会も厚労省へ要望書提出。

ブログの更新を滞らせていた間に風疹対策に関して大きな動きがいくつかありました。

11月5日に風疹をなくそうの会 hand in handの可児佳代さん、大畑茂子さんらが自民党の小泉進次郎氏らと面会しました。複数のメディアが報じていますが、特にバズフィードの記事『「風疹を排除すると約束してください」 母たちの涙ながらの訴え 自民党厚労部会長・小泉進次郎氏らはどう動くか』が詳しいです。小泉議員に提出された緊急要望書の内容は下記の通りです。

  1. 現在の風疹流行を可能な限り早く止め、先天性風疹症候群(CRS)の子どもや妊婦の風疹感染による人工中絶を出さないようにすること。
  2. 予防接種が不十分で流行の中心になっている30〜50代の男性を対象としたMRワクチン(麻疹風疹ワクチン)の定期接種を行うこと。
  3. 不足するワクチンを安定供給するために、国産ワクチンの増産と海外からの輸入の検討などで早急にワクチンを確保すること。
  4. 会社での健康診断に麻疹・風疹の接種歴の確認や抗体検査項目を増やし、検査費用を公費でまかなうなど職場での風疹予防体制の整備。
  5. 2020年東京オリンピック・パラリンピックを安心・安全に開催するために、運営に関わる職員やボランティアの接種歴を確認し、感染源にならないように対策を講じること。

これに対して小泉議員は風疹の流行をなくすために行動することを約束し、7日には自民党所属の国会議員などに対して抗体検査やワクチン接種を呼びかけるメッセージを二階幹事長との連盟で発信。さらに13日には経団連の幹事会の冒頭において風疹対策のために企業での対策について協力を求めました。

国民民主党でも10月末に、「皆さんも風疹の予防接種を受けてほしい」玉木代表が呼びかけ 」とのことで、風疹ワクチンの集団接種を行っています。党派関係なくこのような取り組みが進むことを期待しています。

11月15日には、日本医師会が『風しんに係る予防接種の早急な実施等について』という要望書を厚生労働省へ提出しました。

今般の感染拡大は、1977年から1995年の間、ワクチンの接種機会を女子中学生に限定したことにより、定期接種として風しん含有ワクチンの接種機会がなかった、あるいは接種率の低かった30代から50代の男性を中心としたものである。
これは、貴省において、従前、風しんの流行を防ぐため、上記の者に対する対策の必要性を認識していたにもかかわらず、何ら有効な手立てを講じてこなかったことが原因であり、ワクチン行政の怠慢といわざるをえない。
日本医師会は、上記の者を含む風しんに係るワクチンの接種機会のなかった全ての者に対し、必要かつ十分なMRワクチンの供給量を確保し、早急に予防接種の実施が可能となるよう更なる対策を講じることについて、貴職に対し強く要請する。

植田浩司先生の『日本の風疹・先天性風疹症候群の疫学研究』という記事によれば、米国は、子どもの間で風しん流行が起きないよう小児を接種対象としたのに対し、英国は、出産直後の女性と10代の少女を接種の対象としました。両国の戦略は1969年からスタートし、15年後の1984年に評価が行われ、米国方式のほうが英国方式よりも有効であることがわかりました。

日本は、1977年に英国方式にならって女子中学生のみに接種を開始、上記の再評価の結果を受けて、1995年になってようやく男女への接種を開始しました。

今回の流行で氷河期世代の男性の方々が多く罹患しているのは、約40年前の医療政策の結果なのです。麻疹よりは軽いといわれている風疹ですが、部署に蔓延して業務に影響が出ているとか、高熱と関節痛で辛かったなどのツイートも増えています。特にこの世代にあたる方々は費用負担なく接種を受けられるようにするべきと考えます。

風しんワクチンの目的は、第一に、先天性風しん症候群の予防があげられますが、罹ってしまった人自身もつらいものです。妊娠希望の有無や性にかかわらず、希望する人全員がワクチンを受けられるような環境を整えることが急務です。

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